運動器不安定症とは?原因・症状・診断・治療・予防をわかりやすく徹底解説【所沢】
ポイント
運動器不安定症は、歩行・バランスの低下により閉じこもり・転倒の危険が高い状態を示す疾患『概念』だよ。
背景には加齢(老化)と廃用(不活動)があり、片足立ち(15秒未満)ができない人はその疑いがあるかも?
治療は原因疾患の治療+運動療法(片脚立ち・太もも、お尻の筋力強化など)をしていくよ。また、住環境・栄養・服薬も整えると効果が持続するよ。
1. 運動器不安定症とは?
「運動器」とは、骨・関節・筋肉・腱・靱帯・末梢神経が連携して体を動かす総合システムのことです。
年齢とともにこれらの構成要素は変わり、筋力低下・関節可動域の減少・神経と筋の協調性の衰えが進みます。
その結果
– 歩行能力が落ち、外出頻度が減少(閉じこもり傾向)
– バランス能力が低下し、ふらつき・転倒が増える
– 転倒→骨折→臥床という負の連鎖が起こり、さらに活動性が低下
という悪循環に陥りやすくなります。
日本ではこの現象を「運動器不安定症」として定義し、保険適用の枠組みを整備することで、医療・介護・地域が連携して健康寿命の促進を目指しています。単に運動不足を指摘するのではなく、医学的評価に基づいて転倒・寝たきりを未然に防ぐことが狙いです。

所沢市周辺でも、意外と坂道や長い距離の移動が多い。
わずかな体力低下が外にでることを億劫にさせるよね。
早めに気づき、早めに介入することが、ご本人とご家族の生活を守るうえで非常に重要だよ。
所沢周辺のお住みの方は、おやま整形外科クリニック所沢院にきてね。
2. 原因:老化+廃用+周辺要因
2-1. 老化
- サルコペニア
- 加齢に伴う筋量・筋力の低下。特に下肢(大腿四頭筋・中殿筋)が影響を受けやすい。
- 骨密度低下
- 骨粗鬆症によって転倒時の骨折リスクが増加。
- 関節変性
- 変形性膝関節症や股関節症で痛み→活動量低下→さらに筋力低下。
- 神経機能の鈍化
- 反応速度・固有覚の低下がバランス喪失につながる。

老化は生物全てに備わっているものです。しかし、遅らせることはできます!
私たちと一緒に自分の人生を長く楽しめるようにしていきましょう!
2-2. 廃用
- 不活動・長期臥床
- 筋力・心肺機能・バランス能力が短期間で急速に低下。
- 外出習慣の消失
- コロナ禍以降、閉じこもりが長期化し、体力低下を自覚しないまま進行する例も。



寝たきりなんてもったいない!長く動ける体を目指しましょう!
2-3. その他要因
- 整形外科疾患
- 脊椎圧迫骨折
- 腰部脊柱管狭窄
- 下肢骨折後
- 変形性関節症
- 関節炎 など
- 内科・栄養
- 低栄養
- ビタミンD不足
- 脱水
- めまい・低血圧
- 降圧薬・睡眠薬の副作用 など
- 住環境
- 段差
- 暗所
- 滑りやすい床
- 合わない履物 など
- 心理
- 転倒恐怖→活動回避→筋力低下という心理的廃用
3. 症状:歩行とバランスの「小さなサイン」を見逃さない
運動器不安定症になると、一般的には以下の症状が現れます。
- 移動歩行能力の低下
- 歩くと疲れやすい、距離が縮む、外出が「億劫」。
- バランス能力の低下
- 片足立ちが保てない、方向転換でふらつく、階段・段差が怖い。
- 二次的影響
- 活動量低下→体重増加や筋量減少→膝・腰の痛み悪化→さらに動けない。
- 家族が気づく変化
- 歩幅が小さい、杖や手すりを強く握る、夜間のトイレ移動でつまずく。
「最近つまずきが増えた」「外出回数が減った」は重要なサインです。放置せず評価を受けましょう。


4. 診断:問診+運動機能テスト
4-1. 問診と既往の確認
運動能力を下げる11項目の疾患
脊椎圧迫骨折、脊柱変形、骨粗鬆症、下肢骨折、腰部脊柱管狭窄、脊髄障害、神経・筋疾患、関節炎、
下肢切断、長期臥床、頻回転倒
について、過去/現在の該当を確認します。
併せて、日常生活自立度(ランクJ〜A)で「移動」の状態を把握します。
4-2. 運動機能テスト
- 開眼片脚起立テスト:片脚立ちの持続時間を測定。15秒未満で疑いあり。
- 3m Timed Up & Go(TUG):椅子から立つ→3m先を往復→着座の総時間。11秒以上で疑いあり。


- 必要に応じて握力、歩行速度、Chair Stand(椅子立ち上がり)などで総合評価します。
5. 治療:二本柱でリスクを反転
5-1. 原因疾患の治療
変形性関節症の疼痛コントロール、骨粗鬆症治療、脊椎疾患の評価・治療、炎症性関節炎のコントロールなど、運動の妨げとなる疾患を先に整えます。



ここが不十分だと、リハビリの効果が伸びないよ!
5-2. リハビリテーション
目標は「歩行再開・バランス再獲得・転倒予防・外出機会の回復」。理学療法士が個別に負荷・頻度・安全策を設計します。
推奨プログラム例
- ダイナミックフラミンゴ療法(片脚起立運動)
方法:1分間の片脚立ちを左右交互、1日3セット×週3回
安全策:キッチン台や壁に指先を添えて実施、見守り下で開始
狙い:体幹・股関節外転筋・足関節戦略の賦活、骨代謝刺激


- 大腿四頭筋トレーニング(膝伸ばし)
方法:椅子座位で膝を伸ばして5–10秒保持×10回、1–2セット/日
応用:段階に応じてセラバンドやかかと上げを追加
- 歩行練習
方法:歩幅・歩行率の最適化、段差昇降、屋外歩行の段階的再開
→ 杖・シルバーカー等の補助具は「自立を妨げるもの」ではなく「安全に活動量を戻すための橋渡し」- バランス訓練
タンデムスタンス(継足)、前後左右の重心移動、視覚・支持面の条件を徐々に変更(転倒対策を徹底)
呼吸・有酸素
5〜10分の軽い有酸素(屋内歩行、エアロバイク、水中歩行)を組み合わせ、疲労と疼痛の閾値を調整
住環境・フットウェア
– 手すり設置、段差解消、浴室マット、夜間照明、コード類の整理。
– 靴はかかとが固定され滑りにくいソール、つま先が適度に反り上がったもの。
栄養・薬剤
– 蛋白質(1.0–1.2 g/kg/日を目安)、ビタミンD・カルシウムの確保。
– めまい・眠気を起こしやすい薬は主治医と調整。脱水はふらつきを助長するため水分摂取を意識。
6. 予防:今日からできる5つの習慣
- 毎日15〜20分の歩行(痛い日は10分×2回に分割)
- 片脚立ち+膝伸ばしを週3回以上継続
- 住環境の転倒対策(段差・滑り止め・夜間照明・手すり)
- 靴の見直し(サイズ・踵カウンター・滑りにくさ)
- 朝の光と栄養(日光でビタミンD、蛋白質+野菜+水分)
所沢周辺の方への実践アドバイス
- 雨天は航空公園駅周辺の屋内移動や商業施設を活用。
- 晴天は航空公園・狭山丘陵で平坦路ウォーキング。坂や未舗装路は強度を調整しましょう。
7. セルフチェック
- 片脚立ちが15秒保てますか?
- 椅子→3m→着座が11秒以内ですか?
- つまずき・ふらつきが増えていませんか?
- 外出が週3回未満になっていませんか?
- 夜間のトイレ移動で危ないと感じたことは?
1つでも当てはまれば、整形外科での評価をご検討ください。早く始めた人ほど改善が大きい傾向があります。
8. よくある質問(FAQ)



片足立ちは転びそうで怖いです…



壁・キッチン台など支えられるものに触れて立つことから始めてください。
5、10、15、20秒と少しずつ延長していきましょう。
安全が最優先で、目を瞑ったり、不安定な床は避けるのがお勧めですよ。



痛みがある日は運動を休むべきですか?



痛みが強い日は強度を下げる/部位を変えるのがコツです。
完全に休む日が続くと廃用が進むため、できる範囲で頻度を維持しましょう。



補助具は使わない方がいいですか?



そんなことはありませんよ。補助具は活動量を戻すための道具です。安全に歩ける時間が増えれば、筋力も心肺も回復し、結果的に依存度が下がることが多いです。
9. まとめ(所沢市周辺での受診・相談)
- 運動器不安定症は、老化+廃用を背景にした歩行・バランス低下の状態。
- 片脚起立・TUGで状態を可視化し、原因疾患の治療+運動療法でリスクを反転。
- 住環境・栄養・服薬を整えると、改善がより安定して長続きします。
所沢市周辺でふらつき・外出減少・転倒不安が気になる方は、おやま整形外科クリニック所沢院へご相談ください。
専門性の高い理学療法士による個別性のあるリハビリテーションで、安全かつ実行可能な計画をご提案します。
医療機関情報(ご相談はこちら)
おやま整形外科クリニック所沢院
〒359-0037 埼玉県所沢市くすのき台1-12-10 第3西村ビル1階
TEL:04-2995-3863/FAX:04-2995-3860
診療時間:9:00-12:30 / 15:00-18:30(受付 8:45-12:00 / 14:45-18:00)
公式サイト:https://tokorozawa-seikei.gassankai.com



所沢周辺の皆さま!
「歩くのが不安」「つまずきが増えた」などの小さな変化は、改善のチャンスです。
私たちが評価→治療→運動→生活支援まで尽力します!
これを機に一緒に悪いところをやっつけちゃいましょう!
