【腰椎椎間板ヘルニア】症状・予防・対策を医師がスッキリ解説!

痛ててて

どうしたんですか?!

先生!
最近腰が痛くて、足も痺れるんです😢

それは腰椎椎間板ヘルニアの可能性がありますね。

腰椎椎間板ヘルニア?
なんですかそれ?
詳しく教えてください!

わかりました!
まずはどんなものかお伝えしましょう!

目次

腰椎椎間板ヘルニアとは?

椎間板

背骨には衝撃を吸収する為にクッションとなる「椎間板」という柔らかい組織があります。この背骨の間にあるクッション「椎間板」が飛び出し、神経に触れてしまうのが腰椎椎間板ヘルニアです(上図)。これにより、腰や足に痛みやしびれ、力が入りにくくなるといった症状が現れます。

「ヘルニア」って何?

実は「ヘルニア」とは、本来の位置から飛び出してしまうこと全般を指します。例えば…

・ 腰の椎間板が飛び出す → 腰椎椎間板ヘルニア
・ おへそが飛び出す → 臍(でべそ)ヘルニア
・ 腸が飛び出す → 鼠経(脱腸)ヘルニア

他にも頚椎ヘルニアなどもあります。

原因

原因はさまざまですが、特にこんな方は要注意!👇

長時間運転する人
・ 力仕事、立ち仕事が多い人
・ 20〜50代の男性
・ 喫煙習慣がある人
・ 家族にヘルニアの人がいる

上記の方が多い傾向にあります。

症状

急性型

・重い荷物を持ち上げたときやくしゃみで突然の激痛!
ぎっくり腰のような強い痛みで歩けなくなることも...
・放置すると慢性型に移行し、長引く痛みにつながることも...

慢性型

・痛みが続き、神経圧迫が悪化するとしびれや足の痛みも発生
・特に坐骨神経痛(太もも〜足にかけての激しい痛み)を伴うことが多い

どこに痛みが出る?

・腰の第4-5椎間板 → ふくらはぎ〜足の親指に痛み・しびれ
・腰の第5椎間板-仙骨 → 膝裏〜足裏に痛み・しびれ

・背中を伸ばしているとラクに!
・前かがみになると痛みが悪化。

ええ!
意外と身近にあるんですね...

そうなんです。
そのため、ヘルニアと気づかないで過ごしてしまう人もいるんです。

どうすればいいでんすかっ🥺

そうですね。
では、まず診断方法からみていきましょう!

お願いします✨

診断

診断は問診と3つの検査で確定

▶ 問診のポイント
医師に「いつから」「どこが」「どんなふうに痛むか」「どのあたりがしびれるか」を詳しく伝えることが大切です。

▶ 主な検査方法

整形外科検査:対応する特殊検査で神経の影響を評価

神経学的検査:筋力低下や感覚の異常、反射の異常をチェック

画像検査(MRI・CT・レントゲン):神経の圧迫や椎間板の状態を確認

下記に詳しく記載します。

STEP
整形外科検査

・SLRテスト(下肢伸展拳上テスト)

坐骨神経痛と股関節痛を見分けるための検査で、腰椎椎間板ヘルニアの診断精度は90〜97%と高いのが特徴です。

▶ 検査方法(下図)
患者は仰向けに寝た状態で、足をまっすぐ伸ばしたままゆっくり上げ下げします。その際に痛みが出るかどうかを確認し、ヘルニアの可能性を判断します。

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FNSテスト(大腿神経伸展テスト)

腰椎椎間板ヘルニアがどの部位に発症しているかを判断する検査です。

▶ 検査方法
患者はうつ伏せの状態で、膝を曲げ、足首を持ち上げます。その際に痛みが発生するかを確認し、神経への影響を評価します。

STEP
神経学的検査

MMT(徒手筋力テスト)

筋力の程度を評価する検査です。特に、神経や筋肉の障害が疑われる際に実施されます。

▶ MMTの評価方法

患者が特定の動作を行い、医師や理学療法士が抵抗を加えて筋力を判定します。結果は**6段階(0〜5)**で評価され、0が「全く動かせない」、5が「正常な筋力」を示します。

感覚検査

感覚検査は、神経の働きを調べるために行う検査です。特に、しびれや感覚の異常がある場合に、どの神経が影響を受けているかを確認します。

代表的な感覚検査の方法

  1. 触覚テスト:綿や筆などで皮膚を触り、感覚が鈍くなっていないか確認
  2. 痛覚テスト:鈍い針などで軽く刺激し、痛みを正しく感じられるかチェック
  3. 温度覚テスト:温かいものや冷たいものを当て、温度の感覚を評価
  4. 振動覚テスト:音叉を使い、振動の感じ方を確認
STEP
画像検査

画像検査は、体の内部構造を可視化し、病気やケガの原因を特定するための検査です。腰椎椎間板ヘルニアや脊椎の異常を診断する際に重要な役割を果たします。

▶ 主な画像検査の種類

  1. レントゲン(X線)
    • 骨の変形や骨棘の有無を確認
    • 脊椎のアライメント(並び)を評価
    • ただし、神経や椎間板の状態は映らない
  2. MRI(磁気共鳴画像)
    • 神経や椎間板の状態を詳細に確認
    • ヘルニアによる神経圧迫の有無を診断
    • 放射線を使用しないため、安全性が高い
  3. CT(コンピューター断層撮影)
    • 骨の詳細な構造を確認
    • レントゲンよりも細かい骨の変化を評価
    • 神経の評価には向かないが、骨折や骨の異常の診断に有効

画像検査の重要性

画像検査を行うことで、症状の原因や治療方針を明確にすることができます。腰痛やしびれが続く場合は、適切な検査を受けることが大切です。

こんなにいろんな検査があるんですね😳

そうなんです。
その為、適切な診断を行うことができます。

でも、診断を受けても治療ってできるんですか?

ご安心ください。
ここからは治療のご説明をしましょう!

治療

腰椎椎間板ヘルニアの治療には、保存療法手術治療の2つの方法があります。これから病院を受診する方や、治療法を検討中の方は、ぜひ参考にしてください。

保存療法

 保存療法とは、手術をせずに行う治療法の総称です。腰椎椎間板ヘルニアは、椎間板内部の髄核が飛び出して発症しますが、手術をしない限り完全に元の状態に戻ることはありません

しかし、多くの場合、数か月間の安静で炎症が治まり、痛みが軽減されます。飛び出した髄核が自然に小さくなり、神経への圧迫が軽減されることで、症状が改善すると考えられています。

以下に、代表的な保存療法の種類と特徴を紹介しますので、治療の参考にしてください。

薬物療法

症状に合わせて複数の薬を組み合わせて使用します。腰椎椎間板ヘルニアでよく使われる薬には、以下のようなものがあります。

  • 痛みを抑える薬(非ステロイド性消炎鎮痛剤)
  • 筋肉のこわばりを和らげる薬(筋弛緩薬)
  • 神経の痛みを和らげる薬(神経障害性疼痛治療薬)
  • 神経の修復を助ける薬(ビタミンB12製剤)
  • 塗り薬や貼り薬(痛みを和らげる外用薬)

症状に応じた薬を使い、痛みのコントロールと回復をサポートしていきます。

運動療法

痛みが落ち着いたら、筋力をつける運動を行います。 腰を支える背筋・腹筋・腸腰筋を鍛えることで、腰への負担を減らし、再発予防につなげます。無理のない範囲で、徐々に体を動かしていくことが大切です。

当院では、お体の専門職である理学療法士が皆様の身体の不具合や不安を調整、改善します。

装具療法

痛みが強いときにはコルセットなどを装着することで患部の安静をはかります。

手術治療

保存療法を続けても症状が改善せず、日常生活や仕事に支障が出る場合は、手術が検討されます。

また、排尿障害がある場合は、後遺症のリスクが高いため緊急手術が必要になる可能性があります。さらに、下肢の力が入りにくい脱力症状がある場合も、早めの手術を勧めることがあります。

 腰椎椎間板ヘルニアの手術には1〜2週間の入院が必要です。基本的には神経に触れているヘルニアを背中側から取り除く方法が一般的ですが、症状によっては内視鏡やレーザー治療も選択できます。

▶ 内視鏡・レーザー治療の特徴

  • 体への負担が少ない
  • レーザー治療は保険適用外

▶ 術後の注意点
手術後は、傷の痛みが落ち着けば通常の生活に戻れますが、2年以内に再発することが多いため、適度な運動が重要です。

再発予防のポイント

  • 腹筋・背筋を鍛える
  • 前屈や中腰の動作を避ける
  • 長時間の座り姿勢を控える

腰への負担を減らし、再発を防ぐ習慣を身につけましょう。

色々な方法があるんですね✨

そうです!
ですから、不安があれば一度来院していただくことが自身の健康にも繋がります!

わかりました!

でもそうならないための予防もあるんですよね?

そうですね、
では最後に予防法をお伝えしましょう!

予防

 腰痛や足のしびれなどの症状を防ぐためには、日頃の生活習慣が重要です。発症や悪化を防ぐために、意識したい5つのポイントを紹介します。

姿勢に気を付ける

長時間座りっぱなしを避け、休憩時には歩いたりストレッチを。座るときは背もたれを約95°に調整し、腰にクッションを挟むと負担軽減につながります。

重いものは股関節を使う

重いものを持ち上げるときは、腰の曲げ伸ばしではなく、股関節を使用しましょう。お尻を後ろに突き出すと自然と下に屈むことができます。また、持ち上げる時はお尻を絞めると楽に持ち上げられます。

禁煙する

言わずもがなです。喫煙習慣がある方は禁煙あるいは少し控えてみてはいかがでしょうか。

STEP
定期的な運動

適度な運動で筋力をつけ、正しい姿勢をキープ。急性期は安静にし、痛みが落ち着いたらウォーキングやストレッチから始めましょう。

STEP
早めの受診

腰の痛みを放置せず、ヘルニアが疑われたら早めに整形外科へ。放っておくと慢性化し、治療に時間がかかることも。適切な治療で早期回復を目指しましょう。

医師のアドバイス・まとめ

腰椎椎間板ヘルニアはよく聞く病気ですが、詳しくは知らないという方も多いのではないでしょうか?

今回は、ヘルニアの意味、発症のメカニズム、リスク、治療法についてわかりやすく解説しました。

もし腰痛や足のしびれが気になる方は、早めに整形外科を受しましょう。特に排尿障害・下肢の脱力・歩行障害がある場合は、早急な治療が必要です。気になる症状があれば、すぐに医師に相談してください。

腰椎椎間板ヘルニアについてわかりました!

腰椎椎間板ヘルニアに限らず、何か不安があれば早めの治療が大事です!

そうですね!
早めに受診します!

当クリニックでは、早期診断からリハビリテーションまで行っております!また、オンライン診療も行っております!
不安がありましたら
おやま整形外科クリニック 所沢院
までご来院ください!

おやま整形外科クリニック所沢院での治療費の例

初診の診察レントゲン(6方向)・処方箋
1割負担:約900円
2割負担:約1,780円
3割負担:約2,670円
再診の診察・物理療法
(電気治療、ウォーターベット)
1割負担:約110円
2割負担:約220円
3割負担:約330円
再診の診察・運動器リハビリ(理学療法士)
1割負担:約450円
2割負担:約890円
3割負担:約1,340円
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