【変形性膝関節症】年齢とともに増える膝の悩み―医師が解説!

んーやっぱり変な感じがするなぁ...

今日はどうされたんですか?

2~3年前から膝が少しずつ気になっていましたが、最近は立ち上がる時にも痛みが出てきて…。

痛みはどのあたりですか?内側とか、外側とか。

内側が特に痛いんです。押すとズーンと響く感じがします🥺

んー、それは変形性膝関節症の可能性がありますね。

へんけんせいひざかんせつしょう?
膝の変形がどうかしたんですか?

膝が変形すると、膝周囲にさまざまな影響が出ます!

ええ、今回はその変形性膝関節症について教えてください!

わかりました!

目次

変形性膝関節症とは?

病態

この病気は、膝の関節の軟骨がすり減って、その下の骨がむき出しになりぶつかることで痛みが出るものです。
放っておくと、膝の形が変わって、歩きづらくなることも。

手順としてはKL分類(Kellgren-Lawrence分類)のように進行していきます。

KL分類

レントゲンで膝の関節の状態を見て、どれくらい軟骨がすり減っているか・変形しているかを判断します。

骨の変形(骨棘の形成)

わずかな骨のトゲ(骨棘)が出現。
→ 「ちょっと気になる…まだ自覚症状はほとんどなし。」

関節の隙間(関節裂隙)が減少

軽度の変形。軟骨がすこし減って関節の隙間が狭くなる。
→ 「膝が重い・違和感・痛みが出てくる頃。」

関節の隙間(関節裂隙)が狭小

中等度の変形。隙間がかなり狭く、骨同士が近づく。
→ 「歩くと痛い・階段がつらい・膝が曲がりにくい。」

関節裂隙の消失

重度の変形。関節の隙間がほとんど消え、骨同士がぶつかる。
→ 「痛みが強く、歩行も困難。手術を検討するケースも。」

原因

変形性膝関節症になりやすいのはどんな人?

実は、変形性膝関節症には“なりやすい人”がいます。

  •  家族に膝の病気の人がいる方
  •  年齢が高い方(特に中高年)
  •  体重が重めの方(膝への負担大!)
  •  そして、圧倒的に女性の方が多いんです!

なんと、男性より女性の発症率は約2倍ともいわれています。

なぜ女性に多いの?

実は、いろいろな理由があるんです。

  •  筋力が男性より弱い
  •  内股になりやすい骨格・姿勢
    • 膝の内側に負荷が集中しやすいんです。
  • 女性ホルモン(エストロゲン)の関係も!
    • 閉経後にはエストロゲンが減少し、軟骨や骨が弱くなりやすくなると言われています。骨粗しょう症ともつながるお話ですね。

骨粗鬆症と女性ホルモン

骨粗しょう症のお薬の中には、女性ホルモンに似た成分が使われているものもあるくらい、女性ホルモンは骨や関節の健康に深く関係しているんですよ。

ちなみに日本人の場合、膝の内側が変形するタイプが圧倒的に多いです。痛みも、ほとんどが膝の“内側”に出てきます。

以上が変形性膝関節症の概要になります。

ありがとうございます!
変形が進むと歩けなくなるんですね...

そうなんです。
初期症状が気づきづらい分悪化してから気づく人が多いのも特徴ですね。

ええ!
まだ歩きたいですよ🥺

そうですね、、、
では、もし変形性膝関節症になってしまった時の治療法や予防法についてもお話ししましょう!

治療

変形した軟骨や骨、元には戻せません。だからこそ大事なのは「痛みをどう抑えるか」。今できるベストな方法で、毎日をラクに楽しく過ごしましょう。

リハビリは軽症と重症によって治療の内容も変わってきます。

軽症の場合

軽症の場合は基本保存療法を選びます。

運動と食事療法

膝の痛み、まずは「減らす」がカギ!
体重を減らすと、膝への負担もグッと減ります。
さらに、太ももの筋肉(大腿四頭筋)を鍛えれば、もっとラクに!

極端なダイエットはNG。
バランスよく食べて、ちょっとずつカロリーオフ
まずはおやつを我慢するところから始めてみましょう🍪❌

ここまでは自分でできることですので、やれるところから是非取り組んでみましょう!

鎮痛剤の内服・外用、リハビリ

膝が痛い…そんなときこそクリニックの出番!
痛みが続くときは、まず炎症を抑えるお薬(鎮痛剤)で対処します。
変形性膝関節症の痛みも、炎症が原因のことが多いんです。

内服薬や塗り薬、さらにリハビリでの温熱療法やマッサージも◎
つらい膝の痛み、一緒に和らげていきましょう😊

STEP
鎮痛剤の注射、リハビリ

お薬だけで痛みが取れない…そんなときは注射の出番💉
関節に直接ヒアルロン酸やステロイドを注射することで、膝の痛みがグッとラクになることも✨

効果は2〜4週間ほどで体に吸収されるので、1〜2週〜数か月に1回のペースで行います👌
中には「1年くらい効いた!」という声も!

最近話題のPRP療法も注目株!

話題のPRP療法って?
自分の血液から“血小板”を取り出してギュッと濃縮!それを痛みのある関節に注射することで、体が本来持っている「修復力」を引き出す治療なんです✨
ポイントは“早めのタイミング”!
変形が進んでからでは、効果が出にくくなってしまいます💦「まだ初期かも?」と思ったら、ぜひ一度ご相談を!

手術

ここまでの治療で良くならない方は、膝の変形が重度の方かもしれません。その場合は手術が検討されます。

関節鏡術

膝に約6mmほどの小さな穴を2〜3か所あけ、カメラ(関節鏡)と器具を入れて内部をチェックします。

変形した軟骨や半月板など、痛みの原因となる部分を取り除く手術です。
体への負担が少なく、傷も最小限に抑えられるのが特徴です。
入院期間はおよそ10日程度。

ただし、この手術は比較的軽症の方に限られます。気になる方は早めの受診をおすすめします。

高位脛骨骨切術(HTO)

変形性膝関節症では、体重がかかるたびに痛みが出ます。
この手術は「体重がかかる場所」を、健康な軟骨がある部分にずらすのが目的です。

骨に切れ込みを入れて人工の骨を挟み、金属で固定。骨の角度を調整することで、痛みの少ない膝に導きます。

入院は約3〜4週間。約1年後には、入れた金属を取り除く2度目の手術が必要です。

人工関節置換術(TKA、UKA)

膝の変形が中等度以上になると、人工関節への置き換えを検討します。
変形が一部なら「単顆置換術(UKA)」、全体なら「全置換術(TKA)」を行います。

この手術のメリットは、20〜30年効果が持続し、痛みなく日常生活を送れるうえに、スポーツも可能になる点です。入院は約3〜4週間。

両膝とも必要な場合は、半年ほど間をあけて手術するのが一般的ですが、手術経験が豊富な施設では同時手術も可能です。

ただし、人工関節は将来的に入れ替えが必要になる可能性があります。
そのため、一般的には60歳以上が対象で、60歳未満の方は他の治療法を選ぶケースもあります。

手術後の注意点

手術前は傷の治りをよくするため、必ず禁煙をしましょう。
骨粗鬆症の治療を受けている方は、骨の再生に関わるため必ず医師に申告を。

手術後体重管理と筋力アップが大切です。
大豆、牛乳、魚など、骨に良い食品を取り入れたバランスのよい食生活を心掛けましょう。

よく聞かれる「骨によいサプリ」は、実は医学的な効果が証明されていません。購入前に必ず医師やクリニックにご相談ください。

医師のアドバイス・まとめ

変形性膝関節症は、誰にでも起こりうる身近な膝の病気です。
加齢や生活習慣が関係しており、進行度によって治療法も異なります。

早い段階なら運動や食事の見直しなど、ご自身でできる対策も有効です。痛みが続く場合は、薬や注射、リハビリなど整形外科での治療を。

重症化しても、手術によって日常生活が快適になるケースは多くあります。気になる症状がある方は、早めの受診をおすすめします。

変形性膝関節症についてよくわかりました!

変形性膝関節症に限らず、何か不安があれば早めの治療が大事です!

そうですね!
早めに受診します!

当クリニックでは、早期診断からリハビリテーションまで行っております!また、オンライン診療も行っております!
不安がありましたら
おやま整形外科クリニック所沢院
までご来院ください!

おやま整形外科クリニック所沢院での治療費の例

初診の診察レントゲン(6方向)・処方箋
1割負担:約900円
2割負担:約1,780円
3割負担:約2,670円
再診の診察・物理療法
(電気治療、ウォーターベット)
1割負担:約110円
2割負担:約220円
3割負担:約330円
再診の診察・運動器リハビリ(理学療法士)
1割負担:約450円
2割負担:約890円
3割負担:約1,340円
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