【頚椎症性脊髄症】スマホ時代の新たな首トラブル!?整形外科医が語る頚椎症性脊髄症

先生、最近首から腕にかけてしびれるんです…



それ、頚椎症が原因かもしれませんね。首の骨が加齢や負担で変形すると、神経を圧迫して痛みやしびれが出ることがあるんです。



スマホやPCをよく使うんですが、それも関係ありますか?



大いにあります!不良姿勢や運動不足も原因になるんですよ。早めに診察して、対策を考えましょう。



お願いします!
背骨の中でも首の部分にあたる7つの骨で構成される頚椎。この頚椎が加齢などの影響で変形する状態を「頚椎症」と呼びます。頚椎が変形することで、神経根や脊髄が圧迫されると、首や肩甲骨周辺に痛みが現れたり、首から肩、腕、手にかけての痛みやしびれを引き起こすことがあります。これらの症状は、圧迫される神経の部位によって、「頚椎症性脊髄症」や「頚椎症性神経根症」と診断されます。
近年では、スマートフォンやパソコンの長時間使用、不良姿勢、運動不足といった現代的な要因も、こうした症状の一因になると考えられています。今回は、これらの疾患について詳しく解説します。
頚椎症性脊髄症と頚椎症性神経根症
頚椎症性脊髄症とは?
背骨の間にある「椎間板」はクッションのような役割をしていますが、20歳ごろから老化が始まり、次第に変性していきます。この変化により椎間板が潰れたり、靭帯が厚く硬くなったりすると、頚椎症が起こります。その結果、首の骨のトンネル内にある脊髄が圧迫され、手足のしびれなどの症状が現れます。これが「頚椎症性脊髄症」(頚髄症)です。特に日本人は脊柱管が狭いため、こうした症状が出やすいと言われています。
頚椎症性神経根症とは?
しびれなどの症状があっても、神経が圧迫される場所によって病名が異なります。脊髄が圧迫されると「頚椎症性脊髄症」、神経が手に向かう通り道(椎間孔)で圧迫されると「頚椎症性神経根症」と呼びます。これらは頚椎症が原因で、両方同時に起こることもあります。





頚椎症?!?!
神経の障害経路で2つも種類があるんですね?



そうなんです。
ここからはそれぞれの症状について解説しましょう。
頚椎症性脊髄症・頚椎症性神経根症の症状
首から手にかけての痛みやしびれが出ると、ボタンを留めたり、お箸を使ったり、字を書くのが不器用になることがあります。また、筋力が落ちたり感覚が鈍くなることも。特に、上を向いたり首を後ろに反らす動作で症状が悪化しやすいので要注意です!
頚椎症性脊髄症の主な症状
左右両側に症状が出るのは珍しくなく、ひどくなると下半身まで影響が広がることも。歩き方がぎこちなくなったり、階段で手すりがないと不安になったりするかもしれません。若い人なら、かけ足がスムーズにできなくなったり、片足でバランスが取りづらくなるなど、ちょっとした違和感で気づけますが、高齢の方は「まぁ、年のせいかな?」と見逃しがち。さらに、もし「最近トイレがスムーズじゃない…?」と感じたら、すぐにお医者さんに相談しましょう!
頚椎症性神経根症の主な症状
首や肩、腕にかけてズキズキした痛みやしびれが出るのが特徴です。手に力が入りにくくなったり、細かい作業が不器用になることも。「ペンがうまく持てない」「お箸で食べづらい」など、日常のちょっとした違和感がサインです。特に首を後ろに反らすと症状が悪化することがあるので、早めに対策が必要です!



え!歩けなくなることもあるんですか!!



症状が悪化すれば歩きづらくなることもあります。



どうすればいいですか💦



大丈夫です!
早めの受診や治療により対策できます!



では、具体的な診察や検査、治療についてお話ししてきましょう!
診察・検査
腕や手のしびれ・痛みがある場合、まず首を後ろに反らして症状が強くなるかを確認します。その後、手足の反応をチェックし、レントゲンで頚椎の変化を確認。さらに、MRIで神経根や脊髄の圧迫、椎間孔の狭窄を詳しく調べます。ただし、中年以降ではレントゲンやMRIで異常が見つかっても、症状がないことも多いため、検査だけで確定はできません。また、他の神経系の病気と症状が似る場合もあるため、慎重な診断が大切です!
治療
◉ 保存療法
多くの場合、手術は必要なく、まずは保存療法から始めます。軽度なら、首に負担をかけない姿勢や動きを指導し、痛みに応じて薬を使います。
- 痛み止め:非ステロイド性消炎鎮痛薬を使用
- 神経の痛み:しびれや鋭い痛みには神経障害性疼痛治療薬
- 筋肉の緊張:筋緊張弛緩剤で緊張をほぐします
- ブロック注射:強い痛みが続く場合に使用
リハビリでは、温熱・電気治療、頸椎牽引や筋力強化,首の姿勢調整などを行い,首への負担を軽減。必要に応じて頚椎カラー(首のコルセット)を装着することもあります。 「頚椎症性脊髄症」は転倒で重症化する恐れがあるため、転倒防止が大事です。
一方、「頚椎症性神経根症」は基本的に自然治癒するため、首を後ろに反らさないよう注意し、必要に応じて薬を使いながら長期的に症状の改善を見守ります。治るまでに数か月かかることもありますが、激痛が落ち着けばゆっくり回復していきます。
◉ 手術について
筋力の低下や感覚の麻痺がひどく、日常生活に支障が出る場合は、手術が検討されます。主な手術には次の方法があります:
- 椎弓形成術:首の後ろを切開し、脊髄の通り道を広げる方法
- 前方除圧固定術:首の前側を切開し、圧迫している椎間板や骨を取り除き固定する方法
さらに、近年では内視鏡手術が注目されています。体への負担が少なく、入院期間が短いので早期の社会復帰が可能です。高齢者でも安心して受けられることがメリットです。
まずは整形外科医に相談し、自分に合った治療法を見つけることが大切です!



早めの受診をすれば、手術はあまり必要ないんですね✨



そうなんです!
特に、薬とリハビリの併用で症状の改善は見込めます!



そうなんですか!
でもできれば事前に防ぎたいです😢



そうですよね!
では、次に予防法についてお伝えしましょう。
予防法
頚椎症は主に加齢や繰り返される負担が原因ですが、加齢の進み方には個人差があり、誰に起こりやすいかはまだはっきり分かっていません。
ただし、下を向く作業や首を反らす動作の繰り返し、不良姿勢、重いものを持つこと、首に負担がかかる運動などが症状の悪化を招くと言われています。
日頃から姿勢に気をつけたり、負担を減らす動きを心がけることで、進行を遅らせる予防策になります。ちょっとした工夫の積み重ねが大事ですよ!


医師のアドバイス・まとめ
この病気は痛みやしびれだけでなく、進行すると手が思うように動かせなくなる「麻痺」や、スムーズに歩けなくなる「歩行障害」が現れることがあります。特に、首を動かしたときに手のしびれが強くなる場合は、頚椎の異常が関わっているかもしれません。早期の診断と治療が大切ですので、気になる症状があれば、お気軽に当院へご相談ください!



頚椎症についてよくわかりました!



頚椎症に限らず、何か不安があれば早めの治療が大事です!



そうですね!
早めに受診します!



当クリニックでは、早期診断からリハビリテーションまで行っております!また、オンライン診療も行っております!
不安がありましたら
『おやま整形外科クリニック 所沢院』
までご来院ください!
おやま整形外科クリニック所沢院での治療費の例
1割負担 | 2割負担 | 3割負担 | |
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レントゲン(6方向) 処方箋 初診の診察 | 約900円 | 約1,780円 | 約2,670円 |
物理療法 (電気治療、ウォーターベット) 再診の診察 | 約110円 | 約220円 | 約330円 |
運動器リハビリ (理学療法士) 再診の診察 | 約450円 | 約890円 | 約1,340円 |
初診の診察レントゲン(6方向)・処方箋 |
1割負担:約900円 |
2割負担:約1,780円 |
3割負担:約2,670円 |
再診の診察・物理療法 (電気治療、ウォーターベット) |
1割負担:約110円 |
2割負担:約220円 |
3割負担:約330円 |
再診の診察・運動器リハビリ(理学療法士) |
1割負担:約450円 |
2割負担:約890円 |
3割負担:約1,340円 |